意思がとても強く、困難に出会っても、あらゆる角度から思索され乗り越えていかれる森田さん。でもちょっと淋しがりやさんで、繊細なところがあり、関わっているへルパーに甘える一面もあるかわいらしい方です。
小さいお子さんが大好きで、甥ごさん、姪ごさんをとてもかわいがっていらっしゃいます。
私は3歳から38年間、施設で生活をしてきましたが、「施設で一生を終わりたくない。家族と同じように普通の生活を送りたい」という気持ちがありました。ある時、一般企業で働いていたという施設の先輩から、私自身が世間の様子を知らないと指摘されたことにショックを受け、「このままではいけない」と思ったことが施設を出ることを決めた大きなきっかけとなりました。
施設を出た後は、両親に身体的な負担を掛けないために、一人暮らしをしようと考えました。一人暮らしに向けて、地域の自立支援センター(相談支援事業所)に相談をした所、ホームヘルプを紹介されました。その後、実際にホームヘルプを利用している友人からサービスの内容やヘルパーさんの様子について話を伺い、サービスの利用を決めました。
自分で予定を立て自立した生活を送ることで、施設ではできない経験ができることです。
食事を作る際には、ヘルパーさんと話し合ってメニューを決めて、私も一緒になって料理を作っておいしく食べています。お風呂については、施設では週に1回しかなく、家族が入浴介助を行うこととなっていたので、私も家族も負担が多くありました。ホームヘルプを利用してからは、自分の家のお風呂に入って、安心してさっぱりすることができています。また、外出についても、施設では門限があり、自由に出かけるのが難しかったのですが、今は移動支援を使って近所で買物をしたり、自分で行きつけの美容院やカラオケ、町内会のお祭りに出かけたりして、外出を楽しんでいます。
一人暮しを心配していた家族も「施設に戻ることは考えなくていいね」と言うくらい、充実した日々を送っています。
ホームヘルプを利用する前は、ヘルパーさんは何でもしてくれると思っていたのですが、サービスを利用する中で、ヘルパーさんの仕事でできることとできないことがあるのがわかりました。
また、最初はヘルパーさんが日替わりで来ることに戸惑いを感じたりもしましたが、ヘルパーさんの仕事を理解していくうちに、それもなくなりました。今では、一人よりも複数のヘルパーさんに関わってもらう方が、生活の知恵がその数だけ得られるので良いと思っています。その日に来てくれるヘルパーさんによっておしゃべりの話題も変わるので、サービス中もいろいろな会話をして楽しんでいます。