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介護職の離職率はそんなに高くない?介護職の実態とは

2017年09月21日

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介護マーケットが拡大を続ける中、一方で介護の仕事は離職率が高いと思われています。今回はそのイメージが本当に正しいのか考えていきます。

介護の離職率は他産業と比べてそれほど高くない

 一般に介護の仕事は離職率が高いというイメージがあります。実際のところはどうでしょうか。厚生労働省の「平成28年雇用動向調査結果」で産業別の離職率をみてみると、該当する「医療・福祉」の離職率は14.8%。これより離職率が高い産業は、「宿泊業・飲食サービス業 30.0%」、「生活関連サービス業・娯楽業 20.3%」、「教育・学習支援業 15.0%」などとなっています。さまざまな職業の中で、介護の仕事の離職率だけが特に高いわけではないことが分かります。


 さらに、介護の仕事に就く人の数は着実に増えています。第4回社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会の資料によれば、平成12年度に約55万人だった介護職員数は、平成25年度には約171万人と3倍以上に増えています。年度ごとにみても介護職員数は右肩上がりで増加しており、介護人材確保地域戦略会議の資料によれば、平成32年度には約206万人になると見込まれています。


 少子化が進む状況の中で、これほど成長している業界はめずらしいと言えます。それでも介護人材の不足が叫ばれるのは、介護サービスを利用する要介護高齢者の増加スピードがさらに速いためです。特に団塊の世代が後期高齢者になる平成37年以降の急増は問題視されています。こうした傾向は、日本に限らず世界的に共通する課題になっています。


介護職の多くは介護の仕事を続けたいと考えている

 では、実際に介護の現場で働いている人は今の仕事について、どのように考えているのでしょうか。

 公益財団法人介護労働安定センターが発表した平成28年度の「介護労働実態調査」(有効回答数21,848人)をみると、介護職で働く人の53.7%は「今の仕事を続けたい」と考えています。介護施設で働いている人が訪問介護に挑戦してみたいというように、今の仕事以外の介護の仕事をしたいと考えている人は22.5%で、介護以外の仕事をしたいという人は4.8%にとどまっています。つまり、76.2%の人は介護の仕事をしたいと考えていて、介護の仕事をやめたいと考えている人はごくわずかなのです。


 「給与」は転職の主要因になることが多いものですが、介護関係の仕事を辞めた理由の中では17%と低いことが分かります。厚生労働省による「平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、平成28年9月の介護職員の平均給与は、1年目が258,230円。10年以上の勤務で325,400円と勤続年数に応じて上昇しています。また、全体平均額は平成27年9月が280,250円であったのに対し、平成28年9月は289,780円となっており、介護職の給与は年々増加しています。給与が下がる職種が多い昨今、有望な職種と言えるでしょう。


選ばれている理由と魅力

 介護の仕事には他の仕事にはない魅力があります。まず誰にでも働けるチャンスがあることです。若い人はもとより、中高年にも初任者研修などの入門的な研修制度が整っています。次に、どこでも働くことができるのも強みです。介護の職場があるところなら、日本全国どこででも就業が可能です。


 また多様な働き方ができるのもメリットだと捉えられます。子育て中の人はパートタイマーとして就業することもできますし、正社員になるのも他の仕事に比べ容易です。また若い業界であることから、意欲的であれば事業所内で職責のあるポジションに就けるのも比較的早く、年功序列はそれほど重視されません。30代で施設長を任されるケースも多くあります。また最低5年間の業務経験が必要になりますが、ケアマネジャーの資格をとれば個人に任される仕事の裁量が増えます。直接介護とはまた違った「介護をマネジメントする面白さ」も経験できます。


 日本だけでなく経済先進国の人口構成が高齢化する中で、介護の知識はあらゆるところで求められています。少子化の中で縮小する産業が多い中、高齢者向けの産業は確実に成長する数少ない産業です。介護職を入り口にして、切り開ける可能性もあるでしょう。


 最後に、介護職の魅力として、月並みですが、仕事を通じて社会貢献ができることを挙げておきます。前述した「介護労働実態調査」では、介護の仕事を選んだ理由で一番多かった回答は「働きがいのある仕事だと思ったから」です。介護はとても創作的な仕事です。マニュアル通りに働くことに疲れた人や、人から直接感謝の言葉が聞ける仕事をしたいという人にはとても魅力的だと言えます。


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