尿漏れは女性の4~6割が経験?
尿漏れを経験したことがある方は、40代女性は3人に1人、高齢者層でも3人に1人いると言われており、妊娠や出産をきっかけに20代や30代の女性でも尿漏れを経験した事があるなど、高齢者層だけではなく若年層でも意外と多くの方が経験しています。さらに、最近では高齢化社会が原因か、尿漏れを理由に病院へ駆け込む方も増加しているそうです。
尿漏れとは、自分の意志とは関係なく尿が漏れる状態のことを指し、医学用語では「尿失禁」と呼びます。「自分のまわりにはそんな人はいない」と思うかもしれませんが、上の割合から見てもわかるように、多くの方が尿漏れに悩んでいるという現実があります。
なぜ、周囲にいないと感じるのでしょうか。それは「恥ずかしくて人に相談できない」と考えて、悩んでいても病院へ行かない方が大変多いからなのだそうです。
そこで今回は、人には聞けない「尿漏れの真実」についてまとめたいと思います。
尿漏れにはタイプがある
尿漏れは男性よりも女性に多いと言われています。その理由はいくつかあり、出産経験などで骨盤底筋が弱まること、尿道が男性よりも短いこと、冷え症が多いことなどが挙げられます。
男性の場合は、男性の更年期を迎える40代後半から中枢神経や筋肉が衰えはじめ、尿漏れを経験する人が増加するそうです。
また、尿漏れにはタイプがあるということを知っておきましょう。大きく分けると、4つのタイプに分けることができます。
(1)腹圧性尿失禁
せきやくしゃみをしたとき、笑ったとき、重い荷物を持ったときなど、お腹に力が入ると尿が漏れてしまう。尿量は少量。骨盤底筋が緩むために起こると言われており、加齢や出産経験によって症状を訴える人が多くなる。女性の尿漏れでもっとも多いタイプ。
(2)切迫性尿失禁
不意に訪れる突然の強い尿意により、トイレまで我慢できずに漏れてしまう。尿意を感じるような刺激などにより、膀胱が勝手に収縮してしまい、排尿コントロールができずに尿漏れを引き起こす。尿量も多く、特にシニアの方に多くみられる。
(3)溢流性尿失禁
尿を排出できず、膀胱にいっぱいまでたまった結果、尿意がなくても尿が少しずつ漏れてしまう。このタイプには前提として、尿が出づらくなる排尿障害がある。前立腺肥大症が関わっていることが多く、男性によく見られる。
(4)機能性尿失禁
認知症や運動機能の低下などが原因で尿が漏れてしまう。生活環境の見直しや介護により、治療を行うことが一般的とされている。
これらタイプのいずれかに当てはまる方がいたら、恥ずかしがらず、早めに泌尿器科へ相談に行きましょう。尿漏れは決して恥ずかしい病気ではありません。
生理用ナプキンはNG!
尿漏れをケアするための尿ケア専用品があるのはご存知でしょうか。
女性が尿漏れを経験した場合、その対策として生理用ナプキンを使用する方が多いと聞きます。しかし、見た目は似ていても、尿ケア専用品と生理用ナプキンでは用途や構造が大きく異なります。
生理用ナプキンは尿のようなさらっとした水分ではなく、粘性のある経血を吸収するためにつくられています。そのため、尿漏れのケアには向かず、肌トラブルや悪臭の原因になることも考えられます。
一方、尿ケア専用品は成分のほとんどが水分である尿を吸収するために作られています。吸収スピードが速く逆戻りせず、ニオイもしっかり閉じこめます。尿漏れが気になる方は、尿ケア専用品を使用するようにしましょう。