11月11日は「介護の日」です。この日は、介護について理解と認識を深め、国民への啓発を重点的に実施するための日として、厚生労働省が2008年に制定しました。今回は、介護の日やそれに合わせて開催されるイベントなどについてご紹介します。
11月11日は「介護の日」
「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」というキャッチフレーズを念頭に、覚えやすく親しみやすい「いい日、いい日」の語呂合わせとなる11月11日を「介護の日」としています。この日には、普段から介護に関わっている方はもちろんのこと、介護に馴染みの薄い若い世代などにイベントなどを通じて「介護」「高齢者」「介護の仕事」について理解してもらえるよう、さまざまな取り組みが行われています。
2015年時点で、日本の人口に占める65歳以上の高齢者は3,395万人で26.8%にものぼります。すでに「4人に1人以上が高齢者」という時代に入っているのです。また、厚生労働省が発表した需給推計によると、いわゆる「団塊の世代」が75歳以上になる2025年には、介護職員が約253万人必要になるとされています。
いまや、学校の先生になるための教員免許(義務教育)の取得にも社会福祉施設での介護体験が必要となってきており、こういったことからも、今後の介護の重要性がうかがえます。
これから、ますます介護の需要が増えるとともに、介護を供給する担い手のニーズも増えることは間違いありません。
介護の仕事は「大変そう」というイメージがありますが、介護の仕事の内容や、介護を必要とする高齢者(ご利用者様)への援助の方法は多種多様です。
みなさんも、「介護の日」を通して、高齢者や介護の仕事に対して正しい知識を身につけ、理解を深めてみてはいかがでしょうか?
介護や介護の仕事について知るセミナーやイベントに参加してみましょう
現在では、介護や介護の仕事について知ってもらおうと、さまざまなセミナーやイベントが各地で開催されています。
たとえば2017年には、静岡県が静岡朝日テレビとの共催で「親子で楽しく!学べる!夏休み!介護のおしごと体験バスツアー」を開催しました。小学校3・4年生とその保護者を対象にしたこのツアーでは、県内の介護施設で参加者が介護を体験しました。
https://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-220/kaigo/bosyuu/oyakobasu/2017oyakobasu.html
東京都の八王子市では、特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人が、地元小学校と共同企画で介護体験塾を提供しています。こちらは、福祉器具を身につけて介護を体験したり、認知症を扱った劇を行ったりすることで、子どもたちの理解を深めているといいます。
https://www.tcsw.tvac.or.jp/koho/rensai/20160805-2808rensai.html
こうしたセミナー型のイベントだけでなく、フェスティバル型のイベントも開催されています。
広島県では、2017年11月12日に「介護の日フェスタin広島」が開催される予定です。このイベントでは、福祉・介護に関わる人たちの本音を伝え、さまざまな年代が福祉・介護職を職業の選択肢のひとつとして考えるきっかけとなることが目指されています。
愛知県名古屋市では、同じく11月11日「なごや介護の日フェア2017」を開催予定。介護について理解を深めてもらい、介護の仕事の大切さややりがいを知ってもらおうと開催されるイベントです。
いずれも、介護の日に合わせて毎年行われており、飲食ブースやショーなどが楽しめます。
http://www.fukushikaigo.net/festa/
http://nagoya-kaigonohifair.jp/2017/category/info/
ニチイ学館でももちろん介護の日のイベントを開催しています。2009年から、「介護の日」に合わせて行っているのが、学生を対象とした「介護体験教室」や、一般の方々も参加できる「介護体験セミナー」です。ニチイの介護サイト内の「介護セミナーを探す」からもお好みのセミナーを検索できるので、みなさんも、お近くで行われているセミナーに参加してみてはいかがでしょう?
https://www.nichii-kaigo.jp/seminar/
超高齢社会、多くの人が介護に直面。高齢者を思いやれる社会に
前述しましたが、2025年には、日本で最も人口が多い世代「団塊の世代」全員が75歳を超え、後期高齢者となります。そこから10~15年が介護需要のピークといわれており、身内の介護に直面する方も、今後ますます増えていくことになります。
介護は、介護士やその家族だけでなく、地域住民の理解やサポートも必要不可欠です。
介護や介護の仕事に対する理解が地域社会に浸透し、介護に対して正しい知識を持つ人が増えれば、世代を超えて他者を思いやることができる、より良き社会になるでしょう。
「介護の日」を、介護について考えたり、知り・学ぶ切っ掛けにしてみてはいかがでしょうか。