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A様と奥様の思いに応えるための医療・介護のチームケア

2015年10月22日

  • 介護の仕事
  • 通所介護サービス(デイサービス)
  • 転倒予防
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お客様プロフィール
A様 80代 男性
要介護度
要介護3

脳梗塞の後遺症と奥様の介助

A様は平成23年に、脳梗塞を発症され右半身マヒ等の後遺症があります。
家族状況は小柄な奥様(要支援1)と二人暮らしで、生活動作全般に奥様の介助が必要でした。
歩行については、すり足で小刻み、前傾姿勢で不安定で転倒されることがあります。
排泄はトイレに間に合わず、失禁されることが多くあります。
会話については軽度の失語症のため、奥様からの声かけには単語で返答される程度です。

A様は「住み慣れた家で、妻と一緒に穏やかに暮らしたい。そのためには、筋力をつけて、いつまでも自分の足で歩きたい。」との思いがあり、奥様からも「自分の足で歩いて欲しい。」と強い思いがありました。

ご夫婦が抱えている課題は、A様の歩行能力の低下と「私の肩にかかる夫の体重が、これまでよりも重く、肩や腰の負担が大きくなり、身体がとても辛い!」という奥様のお話から奥様にかかる肉体的な負担であると考えました。

自分の足で歩くことを目指して

A様が利用している介護保険サービスは、週2回のデイサービスと福祉用具です。
福祉用具は特殊寝台とサイドレール、椅子から立ち上がりやすくするため手すりを使用されています。

当初のサービス担当者会議では、車椅子の利用のご提案をしましたが、A様の「いつまでも自分の足で歩きたい」という気持ちと、奥様の「道具に頼るのは大げさなので車椅子の利用は避けたい」という希望を尊重し、再検討することにしました。

必要なサービスは何かを考えた時に、やはり医療系サービスである訪問リハビリが有効であると考えました。 訪問リハビリをケアプランに位置付け、医療と介護が連携することでA様の援助目標が達成できるのではないかという仮説を立てました。

訪問リハビリの理学療法士に、A様の歩行能力の評価をしてもらった所、「脳梗塞の後遺症により、運動量が少ない期間が続いたことで、筋肉が硬くなっていますが、リハビリを続けることで柔軟性を高め、歩行能力の改善が見込めるだろう」というものでした。
サービス担当者会議を開き、主治医の意見とA様・ご家族の同意を得て、ケアプランに週1回の訪問リハビリを位置付け、サービスが開始されました。

理学療法士との連携でご夫婦の希望を実現

ピックアップ歩行器の評価と練習を行ったところ、A様はご自宅で理学療法士の指導通りに、歩行器を動かすことができました。
当初、デイサービスの管理者から安全面での不安があると意見がありましたが、A様の歩行器の使用状況や歩行状態を確認できる場を設けてみた所、A様は問題なく歩行され、デイサービスの職員からは「おお!」という声があがりました。

訪問リハビリの導入後、理学療法士が専門的な立場から評価し、A様の希望をかなえられる可能性を明示したことで、各々の事業所が明確な役割を認識して取り組み、A様が一人で歩行できるような場所が増えました。
また、A様ご夫婦の表情が豊かになったことなど可能性を広げることができました。

お客様の状況は様々ですが、自立支援に向けて、お客様やご家族が希望する生活ができる環境を整えていくために、介護支援専門員として必要なことは、医療の知識ではなく、それぞれのサービスの特性と役割を理解し、広い視野を持つことだということがわかりました。

この事例はわたしが担当しました。

この事例はわたしが担当しました。

職種
介護支援専門員
担当サービス
居宅介護支援
所属施設
横浜南支店 ニチイケアセンター磯子
名前
山西 裕紀
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