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退院後の在宅復帰に役立つ「小規模多機能型居宅介護」

2017年08月28日

  • 介護の仕事
  • 小規模多機能型居宅介護施設
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高齢になると病気やけがで入院することが多くなります。高齢者の入院では、病気やけがが治っても、他の心身機能の低下のため、退院時に要介護度が進行している場合があります。そうした場合、退院後の自宅での生活の不安や家族の負担や不安を軽減し、自宅での生活に戻る1つの方法として、小規模多機能型居宅介護の利用が注目されています。

自宅で生活できるのか、施設入居が必要か――退院後の不安を軽減する小規模多機能型居宅介護

 「風邪は治りました。でも体力や筋力が衰え寝たきりになりました。」

 入院するときは自分で歩いて病院に入ったのに、退院するときは車椅子になっていた。高齢者の入院にはよくある話です。病院では生活機能よりも病気やけがの治療を優先するため、このようなことが起こります。

 こうなると、「入院前と状態が違う」→「こんな状態で自宅で生活できるか不安」→「在宅介護は無理ではないか」というように考えがちです。一番ショックを受けているのは高齢者本人です。再び自宅で生活する自信をなくしています。自宅での生活に戻るには、不安を軽減してくれる「専門職の支援」と現在の状態に本人や家族が慣れる「時間」が必要になるのです。

 病院からの在宅復帰を考える場合、リハビリ施設として候補のひとつに挙がるのが介護老人保健施設(老健)です。老健は理学療法士や作業療法士が配置され、介護保険施設の中ではリハビリに強い施設です。しかし、老健にはデメリットもあります。薬剤代が介護報酬に包括されるため、使用している薬によっては入所を断られることがあります。また、施設入所中は在宅介護サービスが利用できません。たとえ一時帰宅しても、訪問介護や通所介護、福祉用具などが使えないため、自宅での生活をイメージすることが難しくなるのです。

 その点、小規模多機能型居宅介護は、宿泊サービス、通いサービス、訪問サービスを、同じ事業所・同じスタッフの下で3つを柔軟に組み合わせて利用することができます。もちろん福祉用具貸与のサービスも使えるので、宿泊サービスを連泊で利用している間に環境を徐々に整え、自宅での生活に戻ることができます。こうすることで、本人や家族の介護に対する不安や負担を軽減することができるでしょう。


退院直後から2ヶ月間は泊まり中心、その後、通いを中心に徐々に自宅での時間を増やしていく――T.Hさんの場合

 退院後に小規模多機能型居宅介護を利用しながら自宅での生活に戻ったケースをご紹介しましょう。

 T.Hさんは81歳の男性です。妻、長男夫婦、孫と同居しています。心不全、パーキンソン病の既往歴があり、要介護の認定を受けていましたが、身の回りのことはほとんど自立していました。 そんなT.Hさんですが、脳梗塞を発症し入院。嚥下機能が低下したため、胃ろうを造設しました。入院中に足腰が弱り、車椅子に。食事、排せつ、入浴すべてに介護が必要になり、要介護度は1から3になりました。

 家族は急激なADLの低下に施設入所も考えましたが、T.HさんのADLは徐々に改善し、少しずつ口から食事できるようになってきました。また、本人の家に帰りたいという意思を尊重し、自宅での生活に戻ることになりました。ただ、退院時にも胃ろうは継続する必要があり、妻は高齢、長男夫婦には仕事があり、孫もまだ学生ということで、家族の介護力を考えるとすぐには自宅での生活に戻ることはできない状態でした。

 そのため、小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスを連泊で利用しつつ、徐々に自宅に戻る時間を増やして現在の状態に慣れていく期間を設けました。2ヶ月間の連泊利用中に家族の役割分担を決め、週末などに本人が家に帰り、胃ろうの処置を家族全員でできるよう練習しました。また、自宅に戻っている間は訪問サービスを利用し、必要な介護方法を指導してもらうことができたため、不安の軽減に役立ったようです。その後、日中家族の介護力が低下する時間帯には通いサービス中心に利用し、自宅に1人でいる時間帯も短時間の訪問サービスで安否確認をしてもらうなど徐々に自宅でいる時間を増やしていくことができました。


在宅復帰時には、家族の意思確認と役割分担が大事

 このように宿泊サービスを利用しながら、通いサービス、訪問サービスを利用でき、しかもそれが同じ事業所・同じ介護スタッフの下で利用できることで、馴染みの関係を築きやすくこれまで住み慣れた地域で暮らし続けられることが、小規模多機能型居宅介護の利点です。また、一般のショートステイは事前の予約が必要で使いたいときにすぐに使えないことも多いですが、小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスは急な利用にも柔軟に対応できる点も、自宅での生活を継続するのに適しているサービスと言えます。

 こういった点は老健よりも在宅復帰についてソフトランディングできる可能性が高いとも言えます。しかし、専門的な機能訓練を継続したほうがよい場合などは、リハビリ職が手厚く配置されている老健を検討したほうがよいでしょう。

 また、通い・訪問・宿泊サービスに加え、同じ事業所で訪問看護サービスも利用できる看護小規模多機能型居宅介護というサービスもあります。医療依存度が高い方で、地域にこのサービスがある場合は利用を検討してみてください。



 いずれにしても重要なことは、家族が在宅介護を行う意思を持てるかどうかです。その上で、役割分担を決め、一人の介護者に負担が集中しないようにしましょう。そして、小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護等の介護サービスを有効利用することで、住み慣れた地域での暮らしを継続することができるでしょう。


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